二回目はコードを転がします。
前回はコードのつなげ方をやりましたが、今回はより奇麗につなげる方法をやります。
まずはSmart Keyboardの設定から。
今回はエレクトリックピアノの音色を選びましょうか。
他のシンセだとちょっと都合が悪いんです。
それからベロシティもオフにしておきましょう。
加速度センサーを使ってiPadの揺れをベロシティにする機能なんですが、かなり不安定で、力一杯叩いても音が小さかったり、まったく役に立ちません。
素直にオフにしといてください。
あと、キーもCマイナーにしておきましょう。
これで、準備は整いました。
今回はこの赤枠で囲ったところを解説します。
これ、結構小難しい話になるので、頑張って読んでくださいw
さて、赤枠の中をよくみると5段に分かれています。
試しにそれぞれタップしてみてください。
それぞれの段ごとに微妙に音が違いますよね?
上にいくほど音が高くなっていると思います。
実はこれ、5つ全部、Cmなんです。
CmというコードはCとE♭とGの三つの音で構成されています。
鍵盤でいうとこの三つのキーです。
コードには特殊なルールがあって
『構成音がどのオクターブにあっても良い』
とされています。
オクターブってなんぞやっていうと、12音づつの階層みたいなもんです。
上の画像の鍵盤に薄くC3とかC4とか書いてありますよね。
C○の○のところがオクターブの変わり目です。
螺旋階段をイメージするとわかりやすいですよ。
12段で一周する階段がぐるぐると回って永遠と続いている感じです。
上にいくほど音が高くなります。
さて、話をもどすと、構成音がどのオクターブにあってもいいなら、つまりこうゆうパターンもありってことです。
これはC、E♭、Gという順番を、G、C、E♭という順番に入れ替えただけです。
Gが1オクターブ下がっただけなので、これもCmコードなんです。
青い属性も一緒。
正式なコードの名前ははちょっと違いますが、それでもCmであることには変わりません。
ただ、Gの音が1オクターブ下がったため、全体の音の響きはさっきより下がって聞こえます。
つまり、これがあの赤枠の正体なんだッ!(ナンダッテー)
前置きが長くなりましたが、あの5段の理屈はこうなんです。
あの5段を下から順に入力したピアノロールを見るとこうなっています。
オレンジの枠が中央の段になります。
C、E♭、Gの一番スタンダードな並びになっていますね。
そこから順に一個づつずれたものがSmart Keyboardに並んでいるというわけです。
ここで注目するべきポイントは「コードの中の一番下にある音」です。
理由は後でわかりますよ。
ちなみに、これらを普通の鍵盤でスムーズに弾こうと思ったら、そりゃあ何日も地道な訓練をしなければ無理です。
でもSmart Keyboardなら、指一本で弾けてしまうのです。
スゴイネ!
さて、赤枠内の理屈はわかったと思います。
だけど、わかったからどうだって話ですよね?w
例えばです。
1→5、つまりCm→Gmという順番でコードを鳴らすと、通常ならこうなります。
コードの中の一番下にある音の間が広くなってしまうんです。
この一番下にある音の差が大きいと、コードというのは滑らかにつながっているように聞こえないんです。
そうゆう時に、さっきの知識が役に立つんですよ。
Gmが高すぎと思うなら下げてやればいいんです。
Gmの方を1段下げて弾くとこうなります。
間が狭くなりましたよね?
これだと、すごく気持ちよくコードがつながります。
実は、このコードの進み方をSmart Keyboardで見るとこうなっています。
Cmの真ん中の段からGmの真ん中の段へ移動するだけで、勝手に間が狭くなっているコードの進み方をします。
つまり、Gmの場合、スタンダードな構成のコードは上から2段目にあるってことです。
この辺、開発者が気を利かせてくれたんだと思います。
理屈がわかっている人にはちょっとややこしいですけどね。
さて、小難しい理屈は以上です。
Smart Keyboardの良いところは、こうゆう小難しい理屈を知らなくても直感的に弾けるところです。
でも、こうゆう理屈を知っていると「ここのコード、ルール通りにやっているんだけど、なんか上手くつながらないなぁ。ちょっと下げてみるか」という事ができるようになるんです。
これが、けっこう重要なんですよ。
次回は、ベース音についてやりたいですね。