ラベル

2011年6月29日水曜日

iPad向きな絵って

Brush

iPad2を購入してから3週間。
20枚ほど絵を描きました。
それを通じてiPad向きな作風がなんとなくわかってきました。


iPadにはCG制作の環境が整ったPCと比べて利点と欠点がいくつかあります。
まず欠点から書きましょう。
・精密な描写に時間がかかる。
・アプリに制限がある。

の二点が大きな欠点と言えると思います。
「精密な描写に時間がかかる」というのは、絵筆である指またはペンが太いという理由と筆圧による微妙なコントロールができないという理由があります。
拡大して描きこめば出来ないことはありませんが、PCで描いた方が効率がいいです。
「アプリに制限がある」というのは、iPadのCPU、メモリ、そしてAppleの規制などにより、PCと同じ性能を持たせることが出来ていないのが現状です。
これらの欠点から日本で主流の細い輪郭線で描く描き方には特に向いていません!

しかし、これらの欠点をもって「iPadは絵を描くのに向いていない」と決め付けるのは間違っていると思います。
「iPadでPCと同じ絵を描くのはストレスだが、iPadに向いた絵の描き方を新しく創れば最高の道具になる」と思っています。
PCと同じ絵は描けないと割り切って、新しい技法を考えればいいんです。
「精密な描写に時間がかかる」なら精密な絵を描かなければいいだけです。
「アプリに制限がある」なら制限の中で絵を描けばいいだけです。
これは、結構難しい考え方かもしれません。
絵描きは誰しも今まで培ってきた自分の描き方があると思います。
ですが、それを捨てることで開ける世界もあります。
最近、よく耳にするドラッカーは「イノベーションの第一歩は既存の物を捨てること」と説いています。

もちろんiPadにしかない利点もあります。
・携帯できる
・熱くない
・ネットとの親和性
・iPadでの閲覧に最適な絵が描ける
・低コストで環境が整う

「携帯できる」のはわかりやすい利点です。場所もとらず、本当にどこでも絵が描けます。
「熱くない」というのも利点です。液晶タブレットは発熱量も多いので使っているうちに熱くなります。
iPadで、絵を描いてて熱いなと思ったことは一度も無いです。
「ネットとの親和性」はソーシャルネットワークやクラウドサービスがアプリレベルでサポートされている場合が多いです。
絵を描くだけではなくて、さらに一歩進んだ楽しみ方が簡単にできます。
「iPadでの閲覧に最適な絵が描ける」は意外とポイントが高いです。
同じiPadの液晶を使って描くので、色味が違って見えるということが少ないです。
「低コストで環境が整う」のもポイントが高いです。
PCで液晶画面上に直接絵を描こうとすると、PCと液晶タブレットと筆圧に対応したアプリが必要になります。それらをそろえればどうしてもiPadよりコストがかかります。(もちろんコストに見合った作品は作れますが)

iPadでお絵かきしてみたいけど…と悩むことはありませんよ。
十分な可能性を秘めている、というのが私の正直な感想です。