ラベル

2011年6月26日日曜日

耳コピっていうの?

前回、「黒鍵のみ」を使って「他人の創作物を耳で観察」して「そのまま写し取る」ことをしてみる、と決定したので、まず黒鍵のみの曲を探してみました。
すると、けっこうあるんですね。
しかもポップスあり演歌ありでバリエーション豊富です。


やっぱり黒鍵のみでもなんとかやれそうな気がしてきましたよ。
で、その中の「うみ」という童謡を耳コピしてみました。
日本人ならみんな歌ったんじゃないでしょうか?
うーみーはー、ひろいーなー、おおきいなーって歌です。
これ黒鍵だけで作られてるらしいです。

で、iPadのMIDIシーケンサーアプリのFL STUDIO mobile HDの鍵盤を使って、これかな?いや、こっちか?と試行錯誤しながら音高を読み取っていきました。
さすがに5個しか鍵盤使わないので、私でもすぐわかりました。(一箇所、オクターブが上がってるところがありましたが)
そのピアノロールがこれです。
しかし、自分で聞いてもなーんか違うなぁって思うんですよ。
ファイルをアップロードしたいところですが、まだ作曲者の死後50年経過してないようなのでやめておきます。
まあ、教育的引用ということで。
音高はバッチリだと思うんですが音の長さがなんかしっくりこない。
で、ネットで楽譜さがしてみたら、一つ見つけました。
それを見て書いたのがこれです。
んー、美しい。
やっぱり、ちゃんとした曲というのは「形」も綺麗なんだと思いました。
これはけっこう重要な要素のように思えます。
あと、テンポも私が考えていたものより7bpm遅かったです。
それと、これ3拍子の歌だったんですね。
4拍子がテンプレートなので、そのまま打ち込みましたが普通に再生されるもののなんか見た目がおかしいと思いました。
3拍子で見てみるとよりハッキリと「形」が見えてきます。
ちなみに、3拍子とか4拍子って要は1小節に四分音符が3個か4個かってことです、よね?
ピアノロールの横軸の1~8まで番号がふってあるのが小節で、それをさらに区切ってあるのが1拍ってことなのかな?
小学校のころ合唱でみんなの前で指揮してる子が必死に三角に腕をふっていたのは、これを示していたんですね。
ごめんなさい、まったく見てませんでした;

さて、これで「できたできた」と喜んでいたらまったく進歩しません。
絵でも、お気に入りの漫画を写し取って楽しむのは絵の世界の入り口としていいかもしれませんが、ちゃんと理解しなければ無駄な時間をすごすだけです。
この曲から、出来る限りの情報を引き出してみましょう。

まず、この曲には詞が付いています。

うみは ひろいな おおきいな
つきは のぼるし ひはしずむ

ここから何が読み取れるでしょうか?
文字数にしてみるとわかりやすいかも。
3 4 5
3 4 5
345の規則性が見えてきます。
ピアノロールをもう一度見てみましょう。
4小節ごとに区切ってみると、タンタンタン、タタタンタン、タタタンタン、ターンのリズムを二回繰り返してます。
でも、音高は違ってます。
もっと細かく1小節ごとにみるとタンタンタンを微妙に変化させて繰り返してるようにも見えます。
これはつまり…曲というのは1小節の小さいパターンの集まりってことなんじゃないでしょうか?
それを微妙に変化させて飽きさせないようにしているような気がします。

それからメロディの流れも感じられます。
結局のところ、音高の変化というのは1次元でしかなく、ある音を発声したら次は三パターンしか選択支がありません。
つまり、同じ音を繰り返すか、上がるか、下がるかの三つです。
この三つのうち、上がる下がるが「どれだけ変化してるか」がメロディの流れになっているような気がします。
最初からどれだけ変化しているのか書いてみます。
+2,-1,-1.-1,+2,-1,-1.-1,+0,+2,+0.+1
+1,+0,+1.-1,+0,-1,-1.-1,+0,-1,+3.-1
一見するとバラバラのような気もします。
2小節と6の途中から、3小節と7小節の途中まで同じパターンが見られますが、全体的に散らしているように思えます。
+2のところが3箇所、+3の箇所は1箇所ありますがほとんど+-1の増減で構成されています。
+2や+3でアクセントをつけているのでしょうか?
全体的にみると、下がって、上がって、下がって、上がって、下がる、で構成されています。
ですが、必ず小節単位で変化するというわけではなく、小節の途中から変化しているパターンが多いです。
ということは、リズムは単純なパターンで、音高は複雑なパターンで構成されていると言えると思います。
それと、始まりの音は5番目の黒鍵で終わりの音は3番目の黒鍵です。
これも何か意味があるのでしょう。

…なんとなく曲の正体が見えてきたような気もします。
次回は、うみから集めた情報を使ってオリジナル曲を一つ作ってみようかな。