最近、やけにProcreateで検索する人が増えたなぁと思ったら、なんかApp Storeでも大人気ですね、Procreate。
調べたら「写真そっくりの絵をProcreateで描いた動画」が日本で話題になっているらしいじゃないですか。
私も見ましたよ。
でも、これは写真そっくりの絵じゃなくて…
まあ、その動画を知らない人は、まず見てください。
どっからみても”写真”そのものです。
”写真みたいな絵”じゃなくて”写真”です。
あー、こう書くと、誤解を受けるかも。
「写真じゃないだろ!描いてる途中の動画があるじゃないか!」
と、言いたくなると思います。
もっと正確に言うなら
「最初に描いている絵は本物だが、途中から少しづつ写真にすり替えている」
ですね。
まず、この絵の元になる写真はインターネットで拾えます。
morgan freemanで検索すればgoogleさんが探してくれます。
これが、その写真です。
そっくりですね。
「そっくりだけど、すごく上手く真似ただけでしょ?」
と、思いますか?
幸いに、例の動画は高画質版があったので、スクリーンショットを撮り、Photoshopで左右分割で合成してみました。
タイトル画像のこれです。
ええ、左が写真で右が動画です。
縮小したらつなぎ目は殆どわからないですね。
クリックして拡大すると、縮小率の微妙な違いで鼻のあたりで、ずれているのがわかると思います。
さて、ここまでやっても「上手いだけ」って思う人もいるかと思います。
でも、写真です。
なぜなら、ここまで細部を似せる事は不可能だからです。
「凄い上手い人が200時間もかけたらできるかも」
それでも、不可能です。
一番わかりやすいのが唇のしわです。
リアリスティックな絵を描く場合、皮膚の表面のテクスチャは専用のブラシを使うのが一般的です。
そうしないと、とても人間業ではリアルに描けないからです。
その場合、どうしても表面のテクスチャの細部は、参考にした写真と違ってくるものなのです。
でも、この動画は寸分違わず同じしわです。
これは不可能と言わざるを得ません。
理由はもう一つあります。
それは輪郭が100%同じということです。
どんなに上手い人が写真を見ながら描いても、写真とまったく同じ輪郭になることはありえません。
輪郭を全て同じにしなくても、リアリティのある絵は描けるので、そこにこだわる必要は全然ないのです。
まあ、でも、これが写真だとしても、それはそれでいいんじゃないですかね?
そうゆうエンターテインメントなんですよ。
手品をハンドパワーだと言ったって、それはエンターテインメントです。
それに、途中までは本物ですし、動画編集テクニックも十分凄いです。
普通の人がほいほい真似できるレベルではありません。
どうやって描いたか推測すると、描画レイヤーの上に写真を重ね、表示非表示を繰り返して確認しながらスポイトで色を拾って塗っていき(写真が見えるフレームは編集でカット)ある程度塗ったら写真のレイヤーを下にして描画レイヤーを少しづつ塗るように消していったんじゃないでしょうか?
1:15あたりから写真の部分が見えはじめているようです。
右目のハイライトが微妙に移動したように見えるのがわかりますか?
写真も事前に細かいレタッチがされているようで、絵のように見せるためにハイライトと輪郭以外の部分はぼかしでディテールをあまくしているようです。
ま、本物だろうとフェイクだろうとSavage Interactiveからしてみれば、ウハウハですねw
海外でも話題になっていたようですよ。