iPad mini RetinaとProcreateとBamboo Stylusでどこまで描けるかに挑戦。
では、前回の続きを。
濡れた表現のために水滴を描きいれていきます。
水滴の描き方は、ネット上に割とありますけど、どれも「こんな感じに暗い色を塗って〜、ハイライトをこう入れて〜」といった感じで、セオリティカルな説明が無いので、今回はその辺もちょっと突っ込んでみたいと思います。
まず、こんな感じに暗い色を塗りますw
ここで「どうして、暗い色で塗るの?」と疑問に思った人は素質がありますよ。
最初の大前提として「目に見えるものは、全て光っている」と考えてください。
自分で光を発するものと、他からの光を反射して光っているものの2種類があります。
「目に見えるものは全て光っている」ということは、目に見えるもの全ては光の法則に従っているということになります。
水滴を描く場合に参考になるのが”レンズ”です。
虫眼鏡や顕微鏡についている、あのレンズ。
水滴を真横から見ると半球レンズそっくりになります。
半球レンズに対する光の屈折の仕方を図にするとこんな感じになります。
光は普通、直進するものですが、レンズを通ると曲がって、収束したり拡散したりします。
水滴の場合”光は集まる”んです。
ここ重要ですよ。
水滴の内部で光が集まるということは、逆に集まった所以外は、光が少なくなって周囲より暗く見えます。
そのため水滴内部には「普通より”明るい部分”と”暗い部分”が出来る」んです。
はい、暗い部分でました!
これが先ほど描いた暗い部分の正体です。
ピンとこない人は小学校の理科の実験を思い出してください。
虫眼鏡で黒い紙を燃やしませんでしたか?
あのとき、虫眼鏡で光を1点に集中させた、その周辺は”暗かった”はずです。
虫眼鏡は透明なのに!
アレと同じことなんですよ。
さて、暗い部分を描いたら、”その内側”に光が集中した明るい部分も描き入れましょう。
こんな感じです。
ですが、まだ水滴っぽくはないですよね?
それは水滴レンズの表面で反射する光を考えていないからです。
水滴の表面は普通の球体や円柱ですから、光源と視点を考え、それっぽく光の点や線を描きいれましょう。
球体や円柱は基本中の基本です。
ぐっと水っぽくなってきました。
でも、まだ足りない。
それは影です。
「水は透明なんだから影なんて出来ないんじゃないの?」と思いがちですが、実際は光が屈折して水滴内部に”曲がってしまう”ため、水滴が光を遮った部分に一段と濃い影が落ちます。
それを描きいれてやるとこうなります。
もうどこから見ても水滴ですね。
注意するのは、水滴の高さは一定ではなく、盛り上がった部分もあれば平らな部分もあるということ。
そういった水滴の高低を考えて影をいれてやるといいです。
さて、表面の水滴は出来ました。
だけど水滴にはそれ以外のパターンもあります。
それは”しずく”です。
しずくの場合は球体レンズが参考になります。
球体レンズを覗き込むと、そこには上下左右が反対になった景色が広角で映ります。
つまり、雫もそうやって描けば良いんです。
まず、雫っぽい形を描いてから、その中に上下左右が反対になった景色を広角な状態で描きいれれば雫になります。
この場合、背景はまだ無いので、空の青と建物のコンクリ色を少し入れています。
小さなものなので、細かい描写はできませんが、セオリーを知っていれば簡単に雰囲気をだせますよ。
これで、二人目の女の子もだいたい塗れたので、次は影の主役「細マッチョの男の子」を描いていきます。
え?前と全然違う?
軽く塗ってみたら、シルエットに動きが無くてつまらなかったので、全面的に描き替えましたw
それはまあ、よくあることなのでいいんですが、ここにきて大問題が…。
レイヤーが足りない。
でも、いろいろ考えたすえに良いアイデアが浮かんだので問題解決です。
次回はその辺もまとめて書きます。