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2012年2月1日水曜日

Jot Pro レビュー

結論から言います。
ステマだろw
(以下は全て「Jot Proで絵を描く」という視点に基づいています)
Jot Proが届いてから何枚か絵を描いてみました。
実をいうと最初から、あまり期待はしてなかったのですが、予想通りというかなんというか。
出所がキックスターター(アイデアだけで資金が無い会社が出資者を募るサイト)というのが、まず胡散臭い。
金を出して貰うのに文字通り必死ですから、長所だけ大げさにアピールして短所は隠しますからね。
見た目のインパクトだけで実際の使い心地は二の次になりがちです。
まあ、予想を裏切って欲しかったですけどね。
はっきり言うと『そんなスゴクなかった』
みなさんに手放しでオススメできるかというと、そうではありません。


なぜか?
問題点はいくつかあります。
ただ、その問題点の多くはiOS側にあるのでJot Proが全面的に悪いというわけではありません。

・問題点1
『ポイントがずれている』
先が透明ディスクで先端が良く見える、というのが売り文句ですが『見えてもしょうがないじゃん』という結果に。
中心点から上に2mmほどずれます。
これはiOSが『指で操作するのに最適化されている』せいです。
iOSが感知するポイントは接触面の中心より上に設定されていたようです。
そのほうが指で操作するとき、より自然だからです。
iPadの画面をロックしてから逆さにして操作してみると、思ったところをポイントできないことからもその意味がわかると思います。
ですが、透明ディスクのJotだと、逆に不自然になってしまいます。
これはアプリ側でポイントを下げてやれば解決できる問題ですが、メジャーなペイントアプリに対応を迫るほどの影響力が現時点のJotにあるとは思えません。
それにJotに最適化すると、今度は逆に指で使いにくいという結果になりかねません。

・問題点2
『カーソルが無い』
問題点1の『ポイントがずれている』に関連していますけど、iOSにはカーソル表示がありません。
話がそれますが、ワコムの液晶タブレットも『ポイントがずれている』といえば多少ずれているんです。
しかし、カーソルの存在がそれをカバーして、ポイントを見失うことがありません。
話を戻すと、iOSにはカーソルという目標物がないので狙った場所から線を引くためには、結局カンに頼ることになってしまいます。
これでは普通の先端が見えないスタイラスと、やっていることが同じです。

・問題点3
『反応が悪い』
先が硬質の透明ディスクなのが影響してか、時々反応しないことがあります。
iPadやiPhoneはパネルに対して、ある程度の大きさの導電性の物質が接触したときの静電容量の変化を検知して反応します。
Jotの先端のディスクは電気を通しますが、ジョイント部分が可動式になっているためか画面にペンを軽く押し付けないと反応に必要な静電容量の変化を得ることが出来ないようです。
確実な反応を得るには、わずかながら押し付ける力が必要になり、それが『描き疲れ』につながります。

・問題点4
『バランスが悪い』
これはワコムのバンブースタイラスとの比較になってしまいますが、重心が真ん中にある普通のバランスなんです。
もっとも描きやすいバランスというのはペンの先端に重心が偏っています。
手で持ったところに重心がきているペンは疲れにくいのです。


まとめると『先端が透明になっているだけで、やっていることは透明じゃないペンと同じ』ということです。
逆に透明な先端に頼るとストレスがたまります。
ここまでボロクソに批判してきましたが、Jotの発想はとても素晴らしいと思います。
Appleも同じようなペンの特許を申請していましたが、Jotの方が可動部分の工夫が素晴らしいです。
ですが、iOSが指で操作することに最適化されていることが全てを台無しにしているといってもいいと思います。

まあ、ジョブズの意志を尊重するなら

「小細工をせずに指か、指に近いスタイラスを使え」

ということでしょう。

私はバンブースタイラスの方が指に近いと思います。
個人的にはバンブーが一番絵を描きやすくオススメです。
今は安くなりましたしね。

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