今回も、ちょっと変わった塗り方をしますよ。
陰影と色彩を同時に頭の中で処理して描くってのは慣れないと、なかなか難しいものです。
でも、デジタルなら、それを分けて簡単にすることが出来るんですよ。
例によってiPad2とBamboo Stylusで描いています。
そう言えば、コレを描く前にペン先ゴムが割れていました。
今回は2ヶ月もったかな。
まずは、モノクロで下絵を描きます。
太目のラウンドブラシを使いました。
ここまで細かく描かなくてもOKです。
ちょっと、時間かけすぎました。
そしたら、グレースケールで全体に階調を作ります。
白い服も肌もモノクロにすると、薄いグレーになります。
この段階で大体の光の方向性も決めましょう。
全体を大まかに塗ったら、細部にかかります。
「大から細」が基本です。
いきなり細かいところから描いてしまうと、あとあとのバランスがとりづらくなってしまうからです。
「目は命」
一番気合の入る部分ですが、ここもやっぱり「大から細」です。
おいしいオカズは最後までとっておきましょうw
全体の細部もある程度描きます。
ぶっちゃけ、「顔」、「胸」、「手」以外は、そんなに頑張らなくても大丈夫です。
見る人の殆どは、それ以外を注意深く見ません。
人間は「顔」でコミュニケーションをとる動物なので、本能的に顔に目線がいって、それ以外は周辺視野でしか見ないものなんです。
だからシルエットと色の雰囲気が出ていれば、それでもOKです。
音楽でもそうゆうところありますよね。
テクノを聞いていても「イントロとブレイクしか記憶に残ってないわー」ってことがよくありますw
モノクロで階調をつけ終わったら、そのレイヤーをDarkenのMultiply(乗算)にします。
さらに、そのモノクロレイヤーの下に色を乗せるレイヤーをつくります。
あとは、色を乗せていくだけです。
明度はすでに描き込んであるので、色調と彩度だけ考えて色を乗せていきます。
薄いか濃いかだけを意識して塗っていけばそれっぽくなると思います。
色を塗るときも、単調にならないように注意しましょう。
例えば、白い服でも頭の中で「白色だ」と決め付けないで、周辺からの反射光を想定して、青や緑や赤なんかをほんの少し混ぜると、ぐっと色に深みが出てきます。
「光の三原色」のR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)ですね。
音楽で言えばキックに別のキックを混ぜたりするのと一緒です。
大体塗り終わったら、LightenのAddレイヤーを上に作ります。
これで、さらに「光」を描いていきます。
強すぎると色が飛んでしまうので、黒に近い濃いグレーでさらっと描き込みます。
全体的に輝くような感じになったら完成です。
「色が上手く塗れない」と行き詰っているときは、発想を変えてグレースケールから塗ってみるのも勉強になりますよ。